オフィスで流せる無料BGM

はじめに

業務中に軽めの音楽を流すのはリラックス効果などのメリットがあっておすすめだ。
だが、著作権の問題をきちんと理解してからでないと、著作権侵害になってしまう恐れもあるので注意が必要だ。

一般的な音楽サブスクや、CDなどを再生してオフィスで無断で流すのは著作権侵害になってしまうようだ。

オフィス用BGMを謳っている有料のサービスを使えば、これらのややこしい著作権問題は全てクリアーできる。
ただし、専用の機器を導入する必要があったり、工事が必要なケースもある。

そもそも有料のサービスを利用するには、稟議を通して予算を確保したり、それなりの体力を要する場合が多いだろう。

今回は、このオフィスでBGMを流すというテーマについて様々な角度から考察してみた。
前述の通り、有料のサービスならいくつか存在するのだが、できれば無料で実現できないかを検討してみた。

結論としては目標を完遂するのはなかなか難しいことが分かったのだが、部分的に妥協をすればそれなりの達成度には至れることも分かった。

以下にその結果を紹介させていただくことにする。

著作権侵害にならないように注意する

最初に気を付けるべきことは、著作権侵害は絶対に避けなければいけないということだ。

企業が組織的にこのような行為を行っていることが知られた場合、その企業の社会的信用は失墜し大きなダメージを受けるだろう。
こういう事態を避けるために、どのような行為が著作権侵害に該当するのかをきちんと把握しておく必要がある。

前項でも触れたが、一般的な音楽サブスクをオフィスで流すのは著作権侵害に該当してしまうので避けなければならない。
「Spotify」や「Amazon Music」や「Apple Music」などの有名なサービスはほぼこれに該当すると思ってよいだろう。

なぜこれらのサービスをオフィスで流すと著作権侵害になるのかというと、これらが個人で楽しむことを目的としたサービスだからということのようだ。

オフィスでこれらのサービスを利用してBGMを流す行為は、個人向けというサービスの提供範囲を逸脱してしまうのだと思われる。

一方で、CDプレイヤーなどを使ってオフィスでCDを再生する行為は、別の理由で避けた方が安全なようだ。

法律には詳しくないので具体的な解説はできないのだが、一般的には著作者と話し合うなどして著作権使用料を決める必要があるようだ。
ただし、著作者が著作権フリーと謳っている「著作権フリーなCD」の場合には問題とはならないようだ。

結局、CDを再生する場合は、無料で許可なく流せるのは著作権フリーのCDのみということのようだ。

テレビやラジオなら問題なし

うっかりオフィスで音楽を流すと著作権侵害になりかねないことは前項の通りだが、問題とならない方法もある。
その代表格となるのがテレビやラジオだ。

これらは事前にテレビ局やラジオ局が著作権団体に使用料を支払っているため、オフィスで流しても問題を起こさない。

ただ、無料でBGMを流すという本稿のテーマからすると、テレビやラジオがそこまで向いているかと言えば疑問だ。

特にテレビには無料で音楽だけを流すような番組が皆無だし、今後出てきたとしても日中ずっとそのような番組が続くことはなさそうだ。
今回はオフィスでBGMを流すのがテーマなので、概ね平日の9時から5時くらいの間ずっとそのような番組が続くことが求められる。

一方でラジオの場合は、音楽に力を入れているラジオ局が意外と多く存在している。
そのようなラジオ局をBGM代わりに流すというのは、最適解ではないかも知れないが十分に代用になる可能性がある。

ただし、CMはどうしても流れるのでそこを妥協できるかどうかの問題はある。

音楽をずっと流しているラジオ局

音楽に特化しているラジオ局の中で、おすすめなのは「ラジオNIKKEI第2」だ。

この局は名前のイメージからはあまり想像できないのだが、平日日中にずっと音楽を流しているラジオ局だ。

広範囲に電波が届く短波放送という形態を取っているため、ほぼ全国的に聴取可能となっている点も有難い。

以下は、同社のサイトの掲載されていた、2024年10月21日(月)の番組表だ。
8:01から18.59まで、ほぼずっと「RaNi Music」という音楽番組を流し続けていることが分かる。

選曲はバランスを重視しているようで、邦楽、洋楽、最近の流行曲、昔懐かしい曲などが脈絡なく流れて来る。
幅広い年齢層に受け入れやすくするような配慮が見受けられる。

ちなみに、radikoを利用すれば、ラジオ受信機がなくてもスマホやパソコンがあれば受信が可能だ。
タイムフリー機能を利用すれば、再生時間を任意の時間に変更することも可能だ。

ただし、もしかするとradikoでの聴取は著作権の問題が発生する可能性がある。
もし、ラジオ受信機が用意できるのであれば、そちらを利用することをおすすめする。

radikoについて

前項で言及した「radiko」とはスマホやパソコン上で動作するラジオ聴取アプリのことだ。
電波ではなく、インターネットを利用してラジオ番組を配信している。

アプリとは書いたが、radikoのWebサイト上から直接番組を聴取することも可能だ。
その場合、アプリのインストールすら不要でラジオ番組が楽しめる。

ただし、radikoを用いて職場などでラジオ番組を流すことが著作権的に問題ないのか否か、radikoの運用会社はいまだ明確な回答をしていないようだ。

現状では著作権侵害になるのかならないのかはっきりしていないようなので、今のところは避けておくのが無難だ。

もちろん、radikoを個人で楽しむ分には何の問題もないので、そこは勘違いしないでいただきたい。

結局どうすればいいのか

個人向けの音楽配信サービスはオフィスでは流せない、CDは著作権フリーのCDしか再生できない、ラジオは流せるがradikoだと問題ありかも知れない、といろいろ書いてきた。

では、どうするのが正解なのだろうか。

オフィスで流せる無料のBGMを紹介するという趣旨で書いた記事だが、結論としてはそのようなニーズを100%満たすものは見つからなかったということになる。
ここは、何かを妥協して90%や80%を目指すのが正解ではないだろうか。

妥協案の中で一番のおすすめは、もっとも行数を割いて紹介した「ラジオNIKKEI第2」を流すという方法だ。

平日の日中というまさにオフィスの稼働時間と同じタイミングで流れている音楽専用番組がある。
通常のラジオ番組のようなDJによるトークなどはなく、シンプルに曲が連続で流れるだけなのでBGMにはうってつけだ。

ラジオ番組なので時折CMは入るのだが、頻度は少ないのでそんなに気になることもないだろう。

注意すべきなのは、radiko経由での聴取は著作権侵害になってしまう可能性があるという点だ。

2番目の妥協案は無料を諦めて有料のサービスを利用することだろう。

実際に有料のBGMサービスを使った経験がないので具体的な紹介はできないのだが、月に数千円程度で契約可能なサービスがいくつか存在するようだ。

ただし、前述した通り工事が必要となったり、毎月のサービス料とは別に初期費用が発生したりするケースもあるようなので、契約時には十分に吟味する必要はあるだろう。

まとめ

オフィスで無料で流せるBGMを紹介する予定だったが、完全な解決策は見つからなかった。
音楽サブスクなどはオフィスで流すと著作権侵害になってしまうので注意しよう。

妥協案として、ラジオNIKKEI第2が平日の昼間にずっと流している音楽番組「Rani Music」を紹介した。
ラジオ番組ではあるが、シンプルに曲が連続で流れる番組となっている。

ただし、ネットラジオ聴取アプリの「Radiko」経由で流してしまうと、著作権の問題がクリアになっているのかは不透明な状況のようだ。
問題を避けるためにはラジオ受信機を用意して聴取しよう。

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