ジオシティーズとは
インターネット黎明期に一大ブームを巻き起こした、無料ホームページ作成サービスがジオシティーズだ。
当時は自分のホームページを持つということが、ちょっとしたステータスでもあったのだが、この機能を無料で提供したのがジオシティーズだったのだ。
Wikipediaを見ると、1996年には既にサービスを開始していたようだ。
1996年と言えば、まだWindows 95が出たばかりで、インターネットを使っている人はほとんどいなかった頃だ。
その後はYahoo!傘下に入って細々と営業を続けていたようだが、去る3月31日にとうとうサービス閉鎖に追い込まれてしまった。
この会社、先行者のメリットを生かして上手く運営していれば、今頃GAFA級の巨大インターネット企業になるチャンスもあっただろうに、黎明期のブームを支えた企業の一つとして名を刻むだけになってしまった。
なぜ閉鎖に追い込まれたのか
僕もジオシティーズを使っていたことがあるのだが、新しい機能やサービスの導入には消極的な運営方針だった。
そのため、次第に後発のサービスに追いつかれてしまったのではないかと思われる。
当時はHTMLベースで静的なサイトを手作りする機能が提供されていただけの時代なので、技術的なハードルは低く、後発の業者が追いつくのは簡単だったのだ。
消極的な運営だった理由は分からないが、資金不足で積極的に動けなかった等の事情があるのかも知れない。
いずれにせよ初期のブームから数年もしないうちに、すぐにサービスとしての魅力を失ってしまったのを覚えている。
2000年代に入ると爆発的なブログブームが起こり、わざわざ手作りのホームページを一から作っていく人は少数派となった。
ジオシティーズはこうした世の中の変化を傍観しているのみで、あっという間に時代遅れのサービス提供者に転落してしまったのだ。
ジオシティーズ閉鎖の影響
最近はジオシティーズ上で公開されているサイトを見かけることも少なくなって来ていたとは言え、ジオシティーズブームが起きていた当時の旬な情報は、相当な量が今回の閉鎖で消えてしまったのではないかと思われる。
実は僕はレトロゲームの愛好者なのだが、当時流行っていたゲームの攻略サイトなどは、今検索しても見つからない場合がよくある。
ジオシティーズとは無関係に、単にサイトを閉鎖した場合もあると思われるが、今回の影響で消えてしまったサイトも多いのではないだろうか。
当時は個人でホームページを持てるようになって、今までノートに書き留めていたような情報をネットで初めて公開した人も多かったのだ。
多くの有用な情報が人知れず消えてしまったに違いない。
消えたサイトをサルベージするツール
「Goodbye Geocities.jp」というChromeとFireFoxの拡張があり、これを使うとインターネットにアーカイブされたジオシティーズのサイトを検索して表示してくれるようだ。
ただ、僕はChromeで試したのだが動作しなかった。
なので詳しくは紹介できないのだが、要はarchive.orgを自動検索してくれるツールのようだ。
archive.orgにはそれなりに著名なサイトはたいてい保存されているので、URLさえ分かれば探し出すことができるのだ。
上記のツールは動作しなかったが、とある消えてしまったサイトをarchive.org上で手動検索したところ、見事にアーカイブされていて閲覧することができた。
ただ、このサイトはURLが分かっていたので検索することができたが、そもそもURLが分からなければ検索はできない。
archive.orgがGoogleの代わりになるわけではない。
まとめ
ジオシティーズが3月31日付で閉鎖された。
消えてしまったサイトの情報は、サイトのURLさえ分かればarchive.orgにアーカイブされていて閲覧できる場合がある。