目次
はじめに
MariaDBはMySQL互換のデータベース管理システムだ。
完全なオープンソースとして開発が行われており、2010年代の半ばごろから徐々にMySQLの代替として使われるケースが増えるようになってきた。
2020年現在では、主要なLinuxディストリビューションのRHELやCentOSなどで標準データベースに採用されるなど評価が高まっている。
商用の場合はUnix系のOS上で利用されることが多いMariaDBだが、Windows版のバイナリーモジュールも提供されている。
今回はWindowsPC上にMariaDBを導入する方法について述べる。
モジュールのダウンロード
まずはインストールするモジュールを入手しよう。
MariaDBのモジュールは、以下の公式サイトから入手可能だ。
公式サイトに移動したら、「Download」リンク、または「Download」ボタンをクリックしよう。
すると以下のようなダウンロード用のリンクが表示される。
ここでは一番上の「Download MariaDB Server」を選択しよう。
続いて以下のようなダウンロードボタンの羅列が表示される。
特に理由がなければより最新に近い安定版を選ぶのがよいだろう。
最新版の10.5はまだAlpha版なので、今回は10.4系を選択することにした。
すると今度は、対象となるOSやパッケージを選択する画面が表示される。
ここでは64ビットWindows用のMSIパッケージ版を選択した。
なおMSIパッケージというのは、マイクロソフトが提供しているインストーラー付きのアーカイブファイル形式のことだ。
ファイルをクリックするだけでインストーラーが起動するので、通常はこれを選択しておくと便利だ。
MariaDBのインストール
MariaDBのインストーラーがダウンロード出来たら、ファイルをダブルクリックして起動しよう。
すると以下のセットアップウィザードが起動する。
ここでは「Next」を選択しよう。
ライセンスへの同意確認
続いて以下の画面が表示され、ライセンスに同意するか否かの確認が行われる。
同意しても問題なければ「I accept the terms in the Licence Agreement」をチェックし、「Next」を選択しよう。
カスタムセットアップ
続いてはカスタムセットアップの設定画面が表示される。
特にこだわる点がなければそのまま「Next」を押下しても問題はない。
もしインストール先のディレクトリーをデフォルトの「C:\Program Files\MariaDB 10.4」から変更する必要がある場合は、「Browse…」ボタンを押下して変更することが可能だ。
またデフォルトではデータベース操作ツールとして「Heidi SQL」がインストールされるが、これを別のツールに変更したい場合や、あるいはデータベース操作ツールが不要な場合は、「Third party tools」の前にあるアイコンをクリックして変更することが可能だ。
今回はどちらもデフォルトのままとした。
インストール先を変更する理由は特にないし、「Heidi SQL」はMySQL系のデータベース操作ツールとしては多機能で使いやすくおすすめだからだ。
「root」パスワードや文字セットの設定
続いては「root」ユーザーのパスワードや、データベースの文字セットを設定する画面が表示される。
MySQL系のデータベースにおいては「root」ユーザーが最高権限を持つスーパーユーザーの位置づけとなる。
したがってパスワードは最低でも8文字以上にして、かつ複雑さを備えた文字列を設定しておくのがおすすめだ。
「Enable access from remote machines for ‘root’ user」の前にあるチェックボックスは、「root」ユーザーがネットワーク経由でログインできるようにする場合にチェックする。
ただし、このチェックボックスはセキュリティ面を考慮すると、チェックをしないのがおすすめだ。
データベースへネットワーク経由でアクセスするニーズがある場合は、「root」とは別のアクセス用ユーザーを作成し、そのユーザーにのみネットワーク経由でのアクセスを許可する運用にした方が安全性が高いからだ。
実際に多くの商用サイトではこのような運用方法を採用している。
ここでもその考え方に倣い、「root」ユーザーのネットワーク経由でのアクセスは許可しないこととした。
なお、本稿ではユーザーの作成方法までは触れないが、いずれ別記事にて紹介したいと考えている。
「Use UTF8 as default server’s character set」の前にあるチェックボックスは、データベース自身の文字セットをUTF8にする場合にチェックする。
デフォルトではチェックが外れているのだが、日本語などのマルチバイト文字列を使用する場合にはチェックはほぼ必須となる。
ここまでの設定が終わったら、「Next」を押下して先へ進もう。
サービス名やネットワークの設定
続いてはサービス名やリモート接続に使用するポート番号などの設定画面が表示される。
サービス名はデフォルトではMariaDBとなる。
通常はこれで不都合はないはずだが、もし変更する必要がある場合は任意の名前に変更することが可能だ。
リモート接続に使用されるTCPポート番号は、デフォルトでは3306となる。
この値は、MySQLのデフォルトTCPポート番号と同じだ。
もし同じPC上でMySQLとMariaDBを共存させるような場合は、TCPポート番号が重複しないように値を変更する必要がある。
今回は特にデフォルト値を変更する必要がなかったため、何もせずに「Next」ボタンを押下した。
フィードバックプラグインの有効化可否設定
続いて表示される画面は、以下のフィードバックプラグインの有効化可否設定だ。
「Enable the Feedback plugin and submit anonymous usage information」の前にあるチェックボックスをチェックすると、データベースの利用状況がなどがMariaDBの開発チームに匿名で送信されるようになるものと思われる。
もしも情報漏洩などが心配であれば チェックをせずに「Next」を押下しても特に問題はない。
インストール
ここまで設定が完了すると、ようやくインストールの開始指示画面が表示される。
ここでは「Install」ボタンを押下しよう。
しばらく待つと以下のインストール完了画面が表示される。
以上でMariaDBのインストールは完了だ。
まとめ
MariaDBはMySQL互換のオープンソースデータベース管理システムだ。
最近はMySQLの代替として利用されることが増えてきた。
LinuxなどのUnix系OSを中心に利用されているが、Windows用のモジュールも提供されている。
今回は64ビットWindows用のモジュールをインストールする手順について紹介した。