はじめに
元々パスワード付きZIPファイルの作成機能は、Windowsの標準機能に含まれていた。
だが、Windows Vistaになったときに、なぜかパスワード付きZIPファイルを作成する機能が削除されてしまったようだ。
この状況は、Windows 10になっても変わっていない。
今回はVista以降の最近のWindowsで、パスワード付きZIPファイルを作成する方法について取り上げる。
対策
4月4日の記事では、Windows 10になってDVDが視聴できなくなってしまった話題を取り上げた。
このケースでは、DVD再生ソフトが有償化され、デフォルトではバンドルされなくなったことが原因だった。
だが今回のケースでは、ZIPファイル作成機能は元々エクスプローラーに付属していた機能なので、少し状況が異なっている。
なぜかOSのアップグレードに伴い、エクスプローラーから機能が削除されてしまったのだ。
もっとも対策は同じだ。
パスワード付きZIPファイルを作成できるフリーソフトを探してインストールすればよいのだ。
ネットで検索してみると、Lhaplusが上位に表示される。
使いやすいUIで人気のアーカイブツールだ。
ただ、実はLhaplusはあまり使いたくないソフトだ。
理由は、ZIPを解凍した時にパスが長くなると、Windowsのパス長制限でエラーになる場合があるが、Lhaplusをはじめとする多くのアーカイブツールではエラー処理が適切に行われないからだ。
今回のテーマは解凍ではなくて圧縮なので関係ないともいえるが、不具合がずっと放置されたままになっているソフトは避けておきたいと思う。
Javaの開発者の間で有名なMergeDoc Projectのサイトでは、ZIPファイルの解凍には7-Zipを使うように指示がある。
統合開発環境のPleiadesを配布しているサイトだ。
今回はこれを参考として、7-zipを使ってみることにした。
◆Mergedoc Projectのサイト
https://mergedoc.osdn.jp/
7-Zipをインストールする
7-Zipは海外製のソフトだが、日本語版が標準で用意されている。
対応するアーカイブ形式としては、パスワード付きZIP圧縮をはじめとして、著名なアーカイブ形式はほぼ網羅されている。
使い勝手も優れていて、シェル統合が使えるのでいちいちソフトを起動する手間がなく、エクスプローラー上でファイルの圧縮、解凍ができる。
インストールは下記の配布サイトからアーカイブを入手し、実行するだけだ。
◆7-Zipを配布しているサイト
https://sevenzip.osdn.jp/
インストールを実行すると、エクスプローラーの右クリックメニューに圧縮、解凍のコマンドが追加される。
設定に悩むような箇所はなく、簡単にインストールが終了する。
7-Zipの使い方
パスワード付きZIPの作成は、右クリックメニューから下図の「圧縮…」を選択すればよい。
すると、圧縮ファイル名やパスワードを設定する画面が表示される。
「圧縮先」に圧縮ファイル名、「パスワード入力」に設定するパスワードを入力しよう。
圧縮ファイル名には、デフォルトで圧縮対象となるファイル名の拡張子だけを.zipに変更した名前が設定される。
入力が終わったら、最後にOKボタンを押下しよう。
すると、圧縮先で指定したファイル名で、パスワード付きZIPファイルが作成される。
カスタマイズ
デフォルトで右クリックメニューに表示される項目には、通常あまり使わないような項目が含まれている。
これらはカスタマイズが可能なので、使わない項目は除外してしまえばより使い勝手が向上する。
具体的には、スタートメニューから別途「7-Zip File Manager」を起動して行う。
このソフトは、7-Zipをインストールすると同時にインストールされているはずだ。
まずは、7-Zip File Managerを起動しよう。
起動したら、「ツール」メニューから「オプション」を選択しよう。
すると「オプション」設定画面が表示される。
ここでは「7-Zip」タグを選択しよう。
画面の中央部付近にある「メニュー項目」が、右クリックメニューに表示される項目だ。
表示不要な項目からは、チェックを外してしまおう。
以下は、「開く」と「圧縮…」以外の項目を除外した場合の例となる。
上記の設定を行うと、右クリックメニューは以下のようなシンプルなものになる。
まとめ
Vista以降のWindowsでパスワード付きZIPファイルを作成するには、対応するソフトウェアのインストールが必要になる。
おすすめのソフトは、既知の大きな不具合がない7-Zipだ。
7-Zipのインストールと使い方は本記事の通りだ。